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禅語: 月落不離天 [哲学]

月落不離天
(つきおちててんをはなれず)

月は地平線に沈むけれど、それは地面に落ちたわけではなく、変わらず天にある

石井ゆかり/文、井上博道/写真 『禅語』より

目に見えないこと ≠ 存在しないこと。

今日、初めて行った葉山で雲の上に姿を現している富士山の姿を見て、この禅語を思い出した。

朝早い時間、逗子で見たときは、雪を冠した富士山が全景くっきりと見えた。でも、葉山で見えた少し後の富士山は、一部が雲で隠れて見えない。天気が悪ければ、全く見えないこともあるけれども、富士山は、これまでも、そしてこれからもずっとそこにあり続ける。

PB120912.JPG


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禅語: 八風吹けども動ぜず [哲学]

八風吹けども動ぜず

八方から風が吹き寄せても動じない。八方とは、利・衰・毀・誉・称・譏・苦・楽。
 利とは、自分の意にかなうこと。
 衰とは、意にかなわないこと。
 毀とは、陰で悪口を言われること。
 誉とは、影で褒められること。
 称とは、目の前で褒められること。
 譏とは、目の前でそしられること。
 苦とは、苦しみ。
 楽とは、人を喜ばせること。

石井ゆかり/文、井上博道/写真 『禅語』より

いいことに思えることの中にも、悪いことと同じように、心に悪影響を及ぼす。

確かに、万事が順調で、目標に向かってまっしぐら、常に前向きな時、ともすると、人の心の弱さに鈍感になる。悩み、苦しみを抱えている人が傍にいたとしても、その声が耳には入ってきても心にまで入ってこない。ネガティブなことは聞き流してしまうのだ。そもそも、ネガティブなことばを発する人の近くに寄っていかないのかもしれない。心がオープンなようで、でも感受性は損なわれている状態。

逆に、自分が悩み苦しんでいる時は、心を閉ざし、誰が何を言おうと、どんなことばに触れようと、それがここにまで届かない。これまた感受性が損なわれている状態。

このどちらも、好ましくない。どんなことが起きようとも、それに動じない心の強さ、心のやわらかさ?、心のしなやかさ?が肝要なのだ。。。
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禅語: 知足 [哲学]

知足
(たるを知る)

満足することを知る

石井ゆかり/文、井上博道/写真 『禅語』より

何をもって「満足」とするのだろうか?

幸せか?と問われれば、自分は確かに幸せだと思う。
でも、満足か?と問われると、答えをちょっとためらう。

自分の中に、「満足」の適正値が絶対的基準として存在していたらいいのに…

だからつい頼りたくなるのが、他人との比較といった相対的基準だ。

手話を習っているときに、いろんな先生、いろんな聾者にことある度に「他人と比較しない。自分のペースでコツコツと細く長く(手話を)続けることが大事」と言われたことを思い出す。そういえば、この間、ヨガの先生も、ポーズをうまく取れない生徒に「人と比べて無理をしないように。自分が気持ちいい姿勢で静止してください」と言ってたな~ 少しずつでも歩みを進めている自分の中の成長を自覚することで足るを満たすということなのかな??


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禅語: 家無滞貨不富 [哲学]

家無滞貨不富
いえに たいかんなくんば とみならず

売りにくい品物が家にたくさん売れ残っているのでなければ、本当の大商人とは言えない。

石井ゆかり/文、井上博道/写真 『禅語』より

無駄と思えることの中にこそ、本当の富、本当の豊かさがあるのかもしれない。
人生でいうなら、どんな経験も、その全てに意味があるから無駄ではないということかな~
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禅語: 相逢不相識 共語不知名 [哲学]

相逢不相識 共語不知名
あいおうてあいしらず、 ともにかたりてなをしらず

お互いのことを何も知らないまま出会い、肩書きや名前も知らないままで語り合う

石井ゆかり/文、井上博道/写真 『禅語』より

相手の肩書きや名前すら知らなくても、思い出に残るような楽しい会話ができることがある。目的や損得があってする会話では得難い、心と心の会話。電車で隣の席になった人、散歩している途中にあった人、スポーツクラブでたまたま挨拶した人…例を挙げればきりがないけど、貴重な語らいの機会はどこにでもある。

つい人は、出会った人に、その所属、年齢、家族構成…いろいろ聞いてしまいがちである。その方が安心するという人もいるだろう。そういった自分の属性を話すことを好む人もいる。でも、そんな情報を知らずとも、話しているうちに、その人の考え方、趣味、好きなもの、嫌いなもの…いろんなことがわかってくるし、ただ純粋に心通わすことは格別の喜びだ。

世の中には、聞かれたくないこと、話したくないことを抱えている人もいる。相手が自分から話さないことは、話を進める上で必要でない限り、こちらからも聞かないというのが、こういった自由な語らいの暗黙のルールかもしれない。
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禅語: 石圧笋斜出 岸懸花倒生 [哲学]

石圧笋斜出 岸懸花倒生
(いしあっしてたかんなななめにいでて、 きしにかかってはなさかしまにしょうず)

【意】 たけのこは石をよけて斜めに生える、岸壁の花は逆さまになってでも咲く。人をみちびくときには、相手の内面や状況に合わせて、やり方を変える、の意。四角四面にただ「正しい」だけでは、道はきわめられない。

石井ゆかり/文、井上博道/写真 『禅語』より

たしかに、散歩していると、どうやってこんなところに???というような場所で、アスファルトの隙間に可憐な花が咲いていたりする。以前、TV等で「ド・根性大根」が話題になったこともあった。。 植物の生命力おそるべし!!

目標を達成できない理由があったとしても、決して逃げず、その状況下でも目標を達成できる道を模索することの大切さ。相手が、状況が変わらないのであれば、残された道は自分が変わること。思いはそのままに。。。
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禅語: 人平不語 水平不流 [哲学]

人平不語 水平不流
ひと たいらかなれば かたらず、 みず たいらかなれば ながれず

人は平穏なときは何も語らない。水も、平らなところでは流れない。

石井ゆかり/文、井上博道/写真 『禅語』ピエブックス より

きれいな蓮の花の写真に惹かれて手に取った本の中で見つけた禅の教えの「ことば」。「水」は心理学的には「無意識」や「感情」を象徴しているらしい。

人は、平時には何も語らない。語る必要がない。でも、何か、心を動かす出来事が起こると、喜怒哀楽を喚起され、その感情を語ることを迫られる。誰かに聞いてもらいたい、思いを共有してもらいたい、語ることで楽になりたいと思ったり、つい口を開いたりしているかもしれない。口から発せられる言葉だけではなく、顔・身体の動きと言った無言の「語」もあるだろう。ひとたび語られたその思いが誰かに届いた時、さらにそれが新しい思いを生み、また新たな行動・出来事へ…とつながっていく連鎖。

予期しない出来事って不安も感じるけど、石井ゆかりさんが表現しているように「予期しない出来事の中にしか生まれない愛や絆がある」のだとしたら、悪くないかも。
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